ワンルーム投資の営業マンが隠す3つの数字

テレアポ営業には注意!

不動産投資に興味を持ち始めたキッカケはテレアポの営業を受けたから、という人は多いのではないでしょうか。

私もいきなり知らない電話番号から電話がかかってきて「将来の資産形成のご提案を」と営業を受けたことは何度もあります。

様々な物件の情報を得るために、来るもの拒まずの精神で数多くのテレアポ経由の営業を受けてきましたが、今までで1度もピンときた物件の提案はありませんでした。

ある程度不動産の知識があれば、テレアポ営業経由で紹介される物件はキャッシュフローの観点でも、出口戦略の観点でも良いとは言えないものばかりです。

それなのに何故、人はテレアポ営業経由で紹介される物件に手を出してしまうのでしょうか。それは営業マンたちが言葉巧みに年金問題生命保険節税などのワードを織り交ぜ『リスクなく儲けることができる』と錯覚させるためです。

今回はその錯覚を解くために、営業マンが隠す3つの数字について紹介していきます。

営業マンが隠す3つの数字

固定資産税

不動産投資の営業マンは、必ず以下のような簡単な収支シミュレーションと一緒に提案をしてきます。

簡易シミュレーション

これだけ見ると、借金して物件を購入するだけで月々3,000円の収益をあげられるように見えますし、当然不動産投資の営業マンもそのような売り文句で営業をかけてきます。

おまけにサブリースなので空室のリスクもありませんと畳み掛けてくるでしょう。

空室リスクもないとなると、いよいよ『借金をするだけで、月々お金が入ってくる』と錯覚します。

しかし現実はそう甘くありません。賃貸物件にしか住んだことない人にとっては馴染みのがない税金ですが、不動産を所有していると固定資産税が毎年かかります。

これは物件の評価額によって上下しますが、東京都内のワンルームマンションであれば、大体50,000円〜100,000円程度でしょう。

つまり月々3,000円、年間で36,000円の家賃収入があっても、年間固定資産税が50,000円かかってしまうと、収支は−14,000円になってしまうのです。

収入シミュレーションにこの固定資産税を入れ込んでしまうと、赤字になることはバレバレになってしまうため、殆どの不動産投資の営業マンは固定資産税について語ろうとしません。

2年目以降の節税効果

不動産投資の営業マンの強力な売り文句として『節税』というキーワードがあります。「税金を少しでも安くしたいと思ったことはありませんか?」などと人の欲望につけ込み、「不動産投資で節税ができるんです」と紹介をしてきます。

上述の不動産投資のガバガバなシミュレーションに加えて、初年度の節税効果を提示してくる営業マンは少なくないでしょう。

ワンルームマンションを購入すると、年収によりますが初年度は20万円~50万円くらい還付を得ることができます。

「不動産を購入するだけで、こんなに払った税金が返ってくるんですよ?」と言われてしまうと、ちょっと手が出てしまいそうですよね。

そこで一歩立ち止まってみましょう。なぜ不動産を購入するだけで、そんなに税金の還付が受けられるのか。そもそも税金の還付は、不動産投資で発生した赤字分をもとに計算がされます。

ワンルームマンションを購入したその年は、登記費用やローン手数料、不動産取得税、仲介手数料など様々な経費がかかるため、不動産投資を赤字として申告することができます。

しかし2年目以降はどうでしょうか。経費として計上できるのはローンの金利部分、減価償却費、固定資産税程度です。

そうなると節税効果は薄く、おそらく5万円程度しか還付は受けられないでしょう。

税金の還付を大きく受けることができるのは初年度だけで、殆どの不動産投資の営業マンは2年目以降の節税金額を見せてくるような下手な真似はしません

自身の運用実績

不動産投資の話を聞いていると「なんでこんな美味しい話、みんなやっていないんだ?」と考える人は多いと思います。自分もその一人でした。

「この営業マンも不動産投資をやっているのか?」とも思い、思い切って質問してみたことがあります。

すると回答は「自分は融資が受けられないんで・・・」と言われました。

確かに最近はローンの審査も厳しくなり、年収500万以上ないと融資をしてくれない銀行ばかりだと思います。一介の平社員では確かに難しい可能性はあります。

しかしその上司や、別の会社の営業マンに聞いてみても、皆口を揃えて「融資が受けられない」と答えました。そんなに投資用不動産業界は給与が冷え込んでいるのでしょうか。

何が言いたいかというと不動産投資の営業マンは、殆どが投資未経験者です。自分が経験したことのないものを、他人に売ろうとしているんです。

自分は今まで30人以上から不動産投資の営業を受けてきましたが、その中で不動産投資経験者はわずか2人でした。うち1人は投資用不動産の会社を経営している社長で、自分はその社長と取り組んでいます。

まとめ

このように投資用不動産の営業マンは、巧妙な話術で投資初心者を騙し、収益性の低い物件を売りつけてきます。

正しい知識を持たずに不動産投資に手を出し、多額の負債ができても全ては自己責任です。

今日紹介した3つの数字は、裏を返せば不動産投資の営業マンのウィークポイントであるとも言えます。

初めての商談の際は、今回紹介した固定資産税・2年目以降の節税効果・自身の投資実績について、自分が納得するまで根掘り葉掘り聞くと良いでしょう。