リスクだけじゃない!不動産投資で考慮すべき落とし穴とは?

はじめに

これまで、不動産投資のメリット・リスクについて説明をしてきました。

第二章では不動産の安定収入をおびやかす空室・家賃下落・金利についてお話をしてきました。

第三章では、『実は考慮しないといけないのに、あまり語られていないこと』について、以下の3つの説明をしてきたいと思います。

この超解説は、自分の経験に基づきながら「ワンルーム不動産投資」について解説をし、不動産投資に踏み出せない方の後押しになればと思っています。

全章通じて「ワンルームマンション投資」にフォーカスするため、「一棟マンション」や「築古アパート」などは取り扱いません。

各章の構成は以下の通りです。

  1. 不動産投資のメリット
  2. 不動産投資のリスク
  3. 不動産投資の落とし穴(本章)
  4. 不動産投資のシミュレーション
  5. 中古と新築の違い
  6. 不動産投資の真実
プロフィール画像管理人「こん」
ワンルームマンション含め、株式や仮想通貨、太陽光など様々な投資を行っています。
投資用一棟マンションを販売している不動産会社に入社し、スルガ銀行不正融資事件の発覚前から業界の闇を体験。健全な不動産業界にするため本サイトを立ち上げる。Amazon Kindleにて「資産形成の『甘いウソ』と本当のワンルームマンション投資」発売中!

サブリース契約

サブリース契約は、『不動産投資のリスク』の章で空室リスクに対応できる家賃保証サービスという説明をしました。

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不動産投資のリスク

これだけ見ると、旨味しかない話ですよね?でも実はここに大きな落とし穴があります。

それは『サブリースは2年~3年で契約更新が必要』ということです。更新内容は大きく分けると、「このまま継続してサブリースを利用するか」「保証家賃はこの額で良いのか」の2点です。

特に後者の、保証家賃の額に要注意です。

サブリースサービスを行う不動産会社も商売でやっています。例えば家賃10万円の不動産で、サブリース契約によってオーナーに9万円入るとします。不動産会社は毎月1万円の利益を出すことができます。

2年後、その辺りの同グレードの不動産の家賃相場が1万円下がってしまったとします。

もし同じ内容のサブリース契約を結んでいると、今の居住者が退去してしまい、新しい居住者が今より1万円低い家賃で見つかったとしても、不動産屋は儲けが0円になってしまいます。

そのためサブリース会社は基本的に『賃料×手数料〇%』という形でサービス提供してることが殆どで、家賃が下がってしまえば、保証賃料も下がってしまうのです。

サブリース

家賃下落の推移は、『不動産投資のリスク』の章でもお話しした通りです。つまりサブリース契約は、確かに空室リスクの対策にはなり得ますが、家賃下落リスクには対応しきれないのです。

「サブリースあるからOK」ではなく、最も考えなければいけないのは家賃が下がりにくい物件探しということです。

節税できる金額

続いて節税についてです。こちらは『不動産投資のメリット』で触れましたね。その節税にどんな落とし穴があるのでしょうか?

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不動産投資のメリット

それは初年度はたくさん節税できてしまうという点と、年々節税できる金額が減るという点です。

例えば初年度にかかる、不動産取得税、登記費用、火災保険料、印紙費用、事務手数料など、様々な費用を経費として計上ができます。ざっくり見積もって、これだけで60~70万円くらい経費にできるのです。

ただ次年度以降は、これらのいわゆる初期費用が全くなくなるため、節税できる金額が下がってしまいます。

1年目50万円くらい節税できた!となっても、2年目以降は10万円程度しか節税できず、不動産投資におけるキャッシュフローは赤字になってしまうというケースも容易に想像ができます。

また投資用不動産の営業シーンにおいては、初年度の節税金額を提示してくるケースが非常に多いです。営業活動なので仕方ない部分ですが、あの手この手で投資用不動産は節税効果が高いとアピールしてきます。

「鵜呑みにするな」とまでは言いませんが、不動産投資の収支シミュレーションはできるだけ自分で作成しましょう。作成方法については『不動産投資のシミュレーション』の章で解説をする予定です。

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不動産投資のシミュレーション

運用にかかる費用

最後に運用費用です。こちらも詳細は『不動産投資のシミュレーション』で解説する予定ですが、不動産投資の運用には、ローンの返済金額以外にも費用が発生するケースがあります。

例えば代表的なものでいえば管理費・修繕積立金です。両者ともマンションの状態を維持するための重要な費用です。これらの存在ついては、きちんと投資用不動産の営業シーンにおいても説明されると思います。

ここで注意しておくべき点は『節税できる金額』でもお伝えしたように、投資用不動産の営業マンは不動産投資の落とし穴をなるべく見せようとはしません

では管理費・修繕積立金にどんな落とし穴があるのか。それは、定期的に値上げがされる可能性があるということです。特に修繕積立金は値上げされるケースが非常にと思います。

修繕積立金は、20年~30年の修繕計画をもとに、その想定修繕費の総額を均等に割り振られ決定します。

この想定修繕費の見積もりが甘い場合、5~10年のスパンで値上げが実行され、不動産投資のキャッシュフローが悪くなってしまいます。

修繕積立金の上げ幅は様々ですが、平均的には月1,000円~3,000円でしょう。毎月想定しない1,000円~3,000円の負荷が、突然発生したら困りますよね?

しかしあくまで自分の経験談ですが、修繕積立金の値上げリスクを説明してきた不動産投資の営業マンは一人もいませんでした

他にも運用にかかる費用として、エアコン・換気扇の修繕等もあります。自分が保有する区分の室内は、一部オーナーが負担しなければならないのでご注意ください。

管理費・修繕積立金・室内の原状回復は、すべて不動産投資に関わる経費として計上することが可能です。

 

また投資用不動産の営業マンが説明しない運用費用として、固定資産税・都市税があります。略して固都税という風に言われることもありますね。

固都税はワンルームマンションであれば年間約5万円~10万円、不動産を所有しているだけで発生してしまいます。

つまりその投資用物件だけで+3,000円/月のシミュレーションを出してきたとしても、年間36,000円のプラス収支だけでは、固都税を差し引くとマイナスとなってしまうのです。

当然、投資用不動産の営業マンはこの固都税分の収支は提示してきません。なぜなら固都税を入れるとほぼ全ての物件は年間でマイナス収支となるためです。

「じゃあワンルームマンション投資なんて、儲からないじゃないか!」と思った方は落ち着いてください。次章で詳しく解説します。

次章について

これらのことから、いかに不動産投資の営業マンは落とし穴を隠し、いかに自分で収支計画を把握・シミュレーションしておくことが大事か、ということを理解していただけたでしょうか。

次章ではもう少し細かく、不動産投資にかかる諸費用や、金利の支払額の計算方法、出口戦略も含めた不動産投資のシミュレーション方法について解説していく予定です。

第4章

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