中古と新築の違いって何?ワンルームマンション投資を徹底解説!

はじめに

前章の『不動産投資のシミュレーション』では、その不動産から節税金額含めどれくらいの利益を上げるかを実際にシミュレーションしながら解説しました。

本章ではそのシミュレーションを踏まえて、中古・新築のそれぞれの特徴について解説をする予定です。

この超解説は、自分の経験に基づきながら「ワンルーム不動産投資」について解説をし、不動産投資に踏み出せない方の後押しになればと思っています。

全章通じて「ワンルームマンション投資」にフォーカスするため、「一棟マンション」や「築古アパート」などは取り扱いません。

各章の構成は以下の通りです。

  1. 不動産投資のメリット
  2. 不動産投資のリスク
  3. 不動産投資の落とし穴
  4. 不動産投資のシミュレーション
  5. 中古と新築の違い(本章)
  6. 不動産投資の真実
プロフィール画像管理人「こん」
ワンルームマンション含め、株式や仮想通貨、太陽光など様々な投資を行っています。
投資用一棟マンションを販売している不動産会社に入社し、スルガ銀行不正融資事件の発覚前から業界の闇を体験。健全な不動産業界にするため本サイトを立ち上げる。Amazon Kindleにて「資産形成の『甘いウソ』と本当のワンルームマンション投資」発売中!

それぞれのメリットについて

中古のメリット・新築のデメリット

まずは中古のメリットから解説をしていきます。

中古のメリットは人気エリアの物件が手に入りやすいことだと思います。

それこそ東京の人気エリアである新宿・原宿・渋谷などは、今から新しいマンションを建てることは非常に難しいのです。

特に年々土地価格が高騰していることから、より良い立地で建てる=物件の価格が上がる=利回りを保つために家賃を高くする必要があります。

更に家賃が高すぎると、ワンルームマンション需要層からしてみれば『人気エリアに住みたいが高すぎて住めない』という風に感じ、その結果入居率が下がってしまう可能性があります。

つまり、現在の土地価格で人気エリアにワンルームマンションを建てようとすると、住みたい人と大家さん、そしてマンションデベロッパーの絶妙なバランスが崩れてしまうのです。

オーナー、デベロッパー、住みたい人の関係性

このようにデベロッパー側としては、販売価格を下げればオーナーにとっても、住みたい人にとってもプラスにさせることができるのですが、彼らも慈善事業でマンションを建てているわけではないので、人気エリアでの建築を避けるのです。

では立地の良い物件は、不動産投資上どんなメリットがあるのでしょうか?シンプルに考えれば、入居率が良くなりそうです。

ただその入居率を甘く見ては行けません。

入居率が高いということは、関連して以下のメリットにも繋がるということです。

  • 家賃が下がらない
  • サブリースの契約が継続できる
  • 高い売却価格が見込める

これらについてはまた別で解説したいと思いますが、特に言えることはこの『高い売却価格が見込める』ということです。

例えば新宿。日本一の繁華街といっても過言ではないでしょう。これらの土地価格が、5年後・10年後・20年後に急落するイメージができるでしょうか?少なくとも私にはできません。

ワンルームマンションとはいえど、購入するものはマンション内の一部の土地と建物なので、建物が古くなって値下がりしても、土地の値段は下がりづらいのです。

このように安定した不動産運用が見込める、人気エリアの不動産を購入できるのは、中古ならではのメリットであるといえます。

一方で新築の場合は、人気エリアの物件がどんどん少なくなっているということです。

ここ数年、東京でよく売られている物件は大田区、墨田区エリアの物件が多い印象があります。

確かに羽田空港の昨今の盛り上がりや、いまや東京の人気観光スポットである東京スカイツリーが近いエリアなどは、今後も土地価格が高くなっていく可能性はあります。

しかし、新宿や渋谷などの人気エリアに比べるとやはり見劣りしてしまうでしょう。

更に言えば近年、ワンルームマンションそのものが新築で買いづらくなっている状況でもあります。

ワンルームマンションの供給過多によって、マンションデベロッパーはDINKs(ディンクス)と呼ばれる1LDK、2DKタイプのマンションの建築割合を増やしているのです。

DINKsとはDouble Income No Kidsの略で、子供がいない夫婦向けの30平米~45平米くらいの部屋を指す言葉です。

確かにこういった住宅需要が高まっていることは確かですが、ワンルームマンションに比べ流動性が低く、一度退去されると次の居住者を見つけるのが大変というデメリットがDINKsにはあります。

上記を踏まえ、新築のデメリットをまとめると『良い物件が手に入りづらい』ということだと、私は考えています。

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新築Dinks

新築のメリット・中古のデメリット

一方で新築は、短期的(5年~10年)な投資に向いていると自分は考えています。5~10年なのに短期的って、不動産投資の世界は少し他の投資とは世界線が違うようですね。

その理由は大きく2つです。

  • 設備の減価償却が15年できる
  • 売却がしやすい

まず1つめの『設備の減価償却が15年できる』についてです。

不動産投資の節税において、経費として計上できる『減価償却』というものがあります。これは前章の『不動産投資のシミュレーション』でも少しだけ解説をしました。

これは、日々消耗されてながら価値が低下していく不動産の『建物部分』と『設備部分』を耐用年数に応じて経費として計上することです。

減価償却のそれぞれの耐用年数の計算は、以下の通りです。

耐用年数 - 取得時の経過年数 + (取得時の経過年数 × 0.2)

RC造の耐用年数は47年、設備の耐用年数は15年です。裏返すと、新築マンションは16年目以降、節税効果が薄れるのです。

そして中古マンションの場合だと、例えば築15年の場合、設備の減価償却期間は『15 - 15 + (15 × 0.2)』で3年になります。

そのため築15年の中古マンションの場合、4年目から節税効果が薄れてしまうのです。これは中古マンションの一つのデメリットといえるでしょう。

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減価償却の計算方法

 

さて次は、2つめの『売却がしやすい』についてです。

前提として、不動産投資をおこなっている多くの人は銀行から融資を受けています。

そしてその銀行の融資期間は、ワンルームマンションの場合だと築年数を元に計算されることが多いです。

例えば不動産投資ローンがある某銀行だと、最大融資期間を45年として、中古マンションの融資期間は『55年 - 経過年数』で計算されているようです。

築~10年だと最大融資期間の45年、築15年だと40年、築20年だと35年といった計算になります。

例えば築15年の中古マンションを購入したとして、15年保有した場合どうなるでしょうか。売却時には築30年となっているため、次に不動産投資目的で購入する人は最大で25年しか融資を組むことができません。

融資期間が短くなればなるほど、月々のキャッシュフローが悪化するため、売りづらい物件となってしまうのです。

一方で新築の場合だと、15年保有しても次回購入者は最大40年の期間で融資を受けることができ、融資期間が長ければ長いほど月々のキャッシュフローが良くなるため、買いやすい物件に見えるでしょう。

あくまでこの話は2020年時点の某銀行の融資期間の算出方法を例として挙げているため、将来的にこの計算式が変わったり、また良い物件であれば不動産会社が買い取るということも考えられますが、築年数の差は現時点での新築のメリット・中古のデメリットといえるでしょう。

まとめ・次章について

中古・新築のメリット・デメリットについて簡単に図でまとめてみました。

中古・新築のメリデメ

中古と新築、どちらが優れているか?は一概に結論を出すことはできません。なぜなら、オーナーによって不動産投資でどんなリターンを得たいのか、どんな投資計画なのかが異なるためです。

私個人としては、新築は短期売却でキャピタルゲイン狙い、中古も築年数によってキャピタルゲインも狙えるが物件によっては長期保有してもよい、と考えています。

さて、次章で遂に最終章です。

これまで不動産投資の営業マンが教えてくれない、デメリットや落とし穴、精密なシミュレーションなど、パンドラの箱(自分で言うか)を開け続けてきました。

最終章ではこれらの総まとめとして、「結局、ワンルームマンション投資って儲かるの?」ということに言及していきたいと思います。

最後まで、お付き合いよろしくお願いいたします。

第6章

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不動産投資の真実