ワンルーム投資でがん特約は不要である理由を具体的な数字で説明!がん特約のワナとは?

保険代わりのワンルーム投資

ワンルームマンション投資は生命保険の代わりになるんです。

ワンルームマンション投資の営業を受けたことがある人は、一度はこんな営業を受けたことがあると思います。

住宅ローンだけでなく、ワンルームマンション投資においても団体信用生命保険に加入することができ、多く場合は加入前提でローン金利が組まれています。

団体信用生命保険とは、ローン債務者が死亡、または高度障害にかかってしまった場合、その保険金でローンが完済される仕組みです。

確かに保有中に死亡してしまった場合、ワンルームマンションであれば2,000万円〜3,000万円の資産が残債なしで残るので、文字通り生命保険の代わりとなるのです。

上述の通り、多くの場合はローン内にすでにこの生命保険の手数料分は金利として含まれていたり、この保険に加入することを前提として審査を行うため、団体信用生命保険の手数料は投資家にとってコントロールできない要素となります。

但し今回テーマとして置いている『がん特約』については、オプションとして追加することができ、金融機関によりますが金利を0.2%〜0.5%上乗せすることにより加入することができます。

管理人こん
金利の0.2%~0.5%なら・・・と思ってしまいますが、これには大きな落とし穴があります!

ワンルーム投資は出口戦略が重要

がん特約のシミュレーションをする前に、改めてワンルームマンションの利益の出し方についてお話します。

再三、これらの記事でも解説してきましたが、とにかくワンルームマンションは売却戦略・出口戦略が重要です。

出口戦略を考える上で重要なポイントは2つ、『何年目で利益が出るのか』『どれくらい利益が出るのか』です。

利益が出るタイミングは早ければ早いほど、その利益幅が大きければ大きいほどリスクに対応しやすくなります。つまり早く・高く売れる物件=良い物件ということです。

この観点を踏まえ、がん特約付ローンの支払額を具体的にシミュレーションをしてみましょう。

がん特約の支払額シミュレーション

『金利に0.2%〜0.5%上乗せ』と言われてもピンとくる人はいないと思います。むしろ0.2%〜0.5%であれば安いのでは?と思う人も多いのではないでしょうか。

実際に支払う金額ではなく、パーセンテージで語られているため、何となく安く済みそうと感じさせることが金融機関の手口なのでしょう。

早速、支払額をかんたんにシミュレーションしてみます。例として、借入金は2,500万円、ローン年数は35年、金利は2.0%、がん特約加入時の上乗せ金利は0.3%とします。

まず『がん特約を付けない場合』の支払い推移が以下の図です。

ローン支払いシミュレーション

月々の支払額は¥82,816。元利均等返済方式の場合は月々の支払額が一定で、金利分が徐々に減少していく仕組みになっています。年々返済分が増えていくため、年を重ねるごとに不動産の売却益もあがりやすくなります。

逆をいえば、1年目や2年目は50万円程度しか返済がされないため、2年目が終わった段階での残債は約2,400万円残っていることになります。ワンルームマンションは売却が重要、といっても1、2年で売っても利益確保がしづらいので注意が必要です。

さて、次にがん特約を入れた場合のシミュレーションです。

がん特約付きのシミュレーション

月々の支払額である¥82,816に変わりはありませんが、がん特約の金利が乗っている分、返済分の割合が小さくなっています。

がん特約付きの、2年目が終わったタイミングでの残債は2,415万円となり、がん特約なしの残債と比べ15万円返済できていないことになります。

更にいえば、がん特約によって上乗せされた金利によって発生する追加の支払額は月々約¥6,0001年目はがん保険に¥74,068支払うことになります。ちょっとがん保険にしては高すぎませんか?

ちなみに15年目の月々の支払額は¥3,600~¥3,800、25年目で¥1,800~¥2,000となります。

35年目には月々¥200程度になるのでとてもお得に見えるかもしれませんが、上述の通りワンルームマンションは出口戦略が重要なので、35年間物件を保有し続けることは非現実的です。

そのうえ返済額の減り方が、がん特約付き・なしで大きく変わります。

いい物件の条件は『早く、高く売れる物件』と述べましたが、がん特約をつけることは『遅く、安く売れる物件』に仕立て上げていることと同義だといえるでしょう。

管理人こん
キャピタルゲイン狙いのワンルームマンション投資においては、がん特約は不要です