3Dプリンターで家が建つ?
参照:3DPRINTEDHOUSE
このサイトに訪れている人は将来の資産形成のために不動産投資を検討している・既に実施している方が殆どだと思います。
物件の建てられ方の多くは木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート(RC)造の3つで、特にマンションなどで使われる鉄筋コンクリートの技術は今から100年以上も前にできたものです。
日本で初めての鉄筋コンクリート造の建築物は、1916年にかの有名な軍艦島で建設されたものです。
それから建築の技術は少しずつ進歩しながらも、大きな変化は1981年以降の新耐震基準くらいであるため、不動産投資は安定しているというイメージを持っている方は多いと思います。
そんな不動産業界ですが、実は最近、3Dプリントで簡単に家が建つような未来がやってくると言われており、既にオランダのアイントホーフェン工科大学が3Dプリントで家を作り、そこに居住者までいるような状況です。このプロジェクトはプロジェクトマイルストーンという名前で現在も進行中です。
3Dプリントを使って家を建てれば人件費などが浮くため、不動産の価値が今よりも落ちてしまうのではないかという噂もあります。
そのため今後の資産形成の計画のためにも、3Dプリント技術について理解しておきましょう。
造れるものは小さいものばかりでない3Dプリント
一般的に3Dプリントのイメージといったら、何か小さい立体的なものを完全にコピーをして忠実に再現すると感じている方も多いのではないでしょうか。
何かの部品や模型、フィギュアなどを読み込んで、精密なコピーをするようなイメージです。
しかし今では、その3Dプリントの技術は大きく発展していて、造れるものや、その素材も様々なものに対応できるようになっています。
たとえば、人間の細胞や食べ物の有機材料などもすべてプリントアウトできてしまいます。そして本気になれば家も造れてしまったのです。
私たちの知らないところで研究や開発が進んでいて、かなりの発展を遂げているのが3Dプリントです。
ちなみにオランダは3Dプリント先進国で、先ほど紹介した家を3Dプリントで建築するプロジェクトはアイントホーフェン工科大学だけでなく、自治体や建築会社などの協力もあって実現したものです。
日本の開発事情
今はまだ3Dプリントによる住宅の建造はテスト段階です。この先はどう進化していくのか誰にもわかりません。
特に日本は地震大国であるため、今の技術で本当に安心な建物が建てられるかは分からない部分もある上に、おそらく建築基準法にもひっかかってしまうでしょう。
とはいえ、その建築基準法さえ乗り越えればブルーオーシャンな市場であるため、日本を代表する総合建設会社である大林組では3Dプリントの開発を進めています。
日本の耐震基準を超える強度のある家を建てるには、まだまだ研究が必要ではありますが、実用化に向けて少しずつ前に進んでいる状況です。
ここ1、2年で実用化されないとしても、数年後、数十年後はもっと技術が進歩して、不動産業は今と大きく変わることになるでしょう。
3Dプリント住宅のメリット
もし3Dプリントで家を建てられるようになった時に享受できるメリットは大きく2つです。
- 物件価格が安くなる
- 建築期間が短くなる
物件価格が安くなる
不動産はご存知の通り決して安いコストで完成するものではありません。こだわった注文住宅や、大規模なマンションとなると、土地代だけでなく建物代にも相当なお金がかかります。
しかし3Dプリントで建築ができれば、人件費や材料費などが大幅に節約できるため、建物代を安くすることができます。
不動産を作る費用が安くできれば、同じように物件の売値が安くなることが予想されます。
これまでは何千万円でのローンが当たり前だった時代でしたが、将来は『ローンのほとんど土地代金』という時代になり、数百万円あるいはそれ以下の金額でも物件を購入できるかもしれません。
建築期間が短くなる
現代では建築士や大工さんたちが、様々な工程を経て家を建てるため、どんなに頑張っても数ヶ月かかってしまいます。
多くの基準をクリアしながら大切に建てられているとも言えますが、注文住宅の場合だと、打ち合わせから建て終わるまでに半年以上かかることは当たり前になっています。
しかし3Dプリントを使えば、数日で建つことも夢ではありません。オランダのアイントホーフェン工科大学が進めたプロジェクトマイルストーンでは、着工からわずか5日間で家が完成してしまいました。
このプロジェクトマイルストーン自体は、2018年から開始されているため、準備に2年以上かかってしまったということは事実ですが、今後その時間がかかってしまった設計部分も技術の進歩によって大幅に短縮されるかもしれません。
市場に流れてきたらどうなる?
まだ日本ではすぐにとはいきませんが、万が一3Dプリントが市場に流れてきてしまったらどうなってしまうのでしょうか。
不動産投資をする側からとしても、気になってしまう部分です。
全員が3Dプリントにするとは限らない
速く建てられて安いというのがポイントですが、中には時間がかかっても良いから人の手で丁寧に造った家に住みたいと考えている方もいます。
簡単に3Dプリントで造ってしまうことに抵抗を感じる、職人の技などクオリティを求めている場合は従来の造り方を求めるでしょう。
また現代の日本でも木造・鉄骨造・RC造などの選択肢があるように、おそらく3Dプリントの家もその選択肢の1つに加わるという変化に過ぎないと私は思います。
ただ3Dプリント造が防音性・防寒性・耐震性も兼ね備えてしまうとなると、正直RC造でも勝ち目がありません。
木造はほぼなくなる?
先述の通り、防音性・防寒性・耐震性等のRC造特有のメリットをも3Dプリント造が兼ね備えてしまうと勝ち目がありません。
仮にそれらを兼ね備えてなかったとしても、今後木造建築は少なくなっていくと思います。
昨今の環境問題も一つの要因ではありますが、木造のメリットは安かろう悪かろうなので、それよりも更に安い3Dプリント造が出てくると何も勝ち目がなくなってしまいます。
不動産業が儲けられなくなる
不動産業は基本的に、売買の仲介手数料をもらうことによって売上を上げています。
仲介手数料は法律で上限が決まっています。
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