仮想通貨取引を行っている多くの人は「億り人」を目指して、価格が何万倍にも上がる通貨を日々探して投資しているのではないでしょうか。
今回紹介する「ミームコイン」の中には、プロジェクトの先進性や利便性などが全くないにも関わらず、価格が何万倍にもなった実績がある通貨もあります。
今回はそのミームコインに焦点を絞って、代表的なミームコインから、今話題のミームコインについて紹介します。
ミームコインとは
分かりやすく訳すと「ネタコイン」
ミームコインは、日本語圏ではミーム通貨とも呼ばれる、仮想通貨のカテゴリーの一つです。
仮想通貨には様々な分類、呼び名があり、例えば「アルトコイン」「草コイン」なども分類の一つと言えるでしょう。
「ミーム」とは英語圏で用いられるインターネットスラングで、日本語では「おもしろ」や「ネタ」などと同じような意味合いを持ちます。
そのため、ミームコインを分かりやすく日本語訳すると「ネタコイン」となります。
ミームコインは、インターネットの上のネタや冗談をモチーフにされたものが通貨として発行されますが、その通貨自体がネタであるため、おそらく全てのミームコインは先進性や利便性、社会貢献性がない通貨だと思われます。
MONAコインという、日本発祥の通貨がミームコインの一つとして扱われることがありますが、MONAコインは巷に流通しているミームコインとは違う点があります。
MONAコインは匿名掲示板5ちゃんねる発祥の通貨で、5ちゃんねるのマスコット的AA(アスキーアート)である「モナー」をモチーフにしてあるため、ミームコインだと思われがちです。
しかしMONAコインには、ニコニコ動画やPixivなどの投げ銭にできるという使い道があるという点が、巷に流通しているミームコインとの違いです。つまり、MONAコインは特定のサービスなどで「通貨としての役割」を果たしていると言えるのです。
もちろんMONAコインが生まれた当初はミームコインという位置づけだったかもしれませんが、その後様々なサービスとの連携を進めていき、ミームコインとしての立ち位置を脱却しました。
一方で巷に流通している多くのミームコインは、「通貨としての役割」を果たしていない上に、今後どのようにその通貨を広げていくかを記す事業計画書(ロードマップ)が存在していない、正真正銘のネタコインなのです。
価格変動の要因はコミュニティの盛り上がり
正真正銘のネタコインであるにも関わらず、ミームコインは稀に爆発的な価格高騰が発生する時があります。
その要因は、コミュニティの盛り上がりです。
ミームコインには先進性や利便性、社会貢献性が何もない上に、事業計画書(ロードマップ)もない通貨であるため、価格変動の要素は話題性しかありません。
これまで価格高騰してきた多くのミームコインは、その通貨を「ネタとして面白い」と思うコミュニティの人たちが、率先してその通貨を盛り上げることによって、投資家にも注目される通貨に育てられてきました。
そのため、全く通貨としての役割を果たしていない通貨でも、コミュニティの盛り上がりによって価格高騰を発生させることができたといえるのです。
有名なミームコインを2つ紹介
Dogecoin(DOGE)
Dogecoin(DOGE)は、最も有名なミームコインの一つです。
2022年7月現在、Dogecoin(DOGE)の時価総額ランキングは10位です。
ちなみにbitFlyerやCoincheckなどの国内取引所に上場したことで話題になったPolkadot(ポルカドット)の時価総額ランキングは12位、他にも日本で馴染み深い通貨の一つであるXRP(リップル)の時価総額ランキングは8位、Move to Earnプロジェクトの一つ「STEPN(ステップン)」で有名になった通貨であるSolana(ソラナ)の時価総額ランキングは9位です。
錚々たる仮想通貨たちと肩を並べるほどの時価総額を誇るDogecoin(DOGE)が、実はミームコインなのです。
Dogecoin(DOGE)は、Paypalの前身企業であるX.comの創業者であり、電気自動車で有名なテスラの共同創設者、宇宙開発事業を手掛けるスペースXの創設者であるイーロン・マスク氏が、Twitter上で触れたことによって一躍話題になったミームコインです。
DOGE(ドージ)はDOG(犬)のスペルを崩したものであり、愛称として犬を呼ぶ時に用いられるインターネットスラングの一つです。
また2013年に日本のブロガーが投稿した「かぼすちゃん」の写真が世界で爆発的に広がったことで、DOGEは「かぼすちゃん」の代名詞的な存在になりました。そして、そのDOGEにあやかった通貨がDogecoin(DOGE)なのです。
Dogecoin(DOGE)は正真正銘のネタコインでしたが、その人気や知名度からインターネットショッピングなどでも使えるようになったため、現在は「通貨としての役割」を果しており、MONAコインと同じようにミームコインとして呼べなくなった通貨かもしれません。
Dogecoin(DOGE)は、取扱額世界一位の取引所であるBINANCE(バイナンス)をはじめとして、様々な海外取引所で購入することができます。
ネットワークはBinance Smart Chain(BEP-20)を使用しているため、PancakeSwap(パンケーキスワップ)なのでも購入可能です。
Dogecoin(DOGE)は話題になる2020年頃、0.3円前後で取引がされていましたが、
イーロン・マスク氏のTwitterをきっかけに爆発的に高騰し、最大で70円以上にまでなりました。その価格差はなんと233倍です。
1万円分のDogecoin(DOGE)を持っていたら233万円になっていた計算になりますね。
SHIBA INU(SHIB)
SHIBA INU(SHIB)は、Dogecoin(DOGE)の影響を受けて作られたミームコインであり、Dogecoin(DOGE)と同じく日本の犬種である柴犬がモチーフにされています。
通貨のシンボルはSHIBで、Dogecoin(DOGE)とは違い、イーサリアムネットワーク(ERC-20)を用いた通貨です。
時価総額ランキングは2022年7月時点で15位で、Dogecoin(DOGE)と近いランクに位置しています。
SHIBA INU(SHIB)も、Dogecoin(DOGE)同様、イーロン・マスク氏のTwitter上の発言により爆発的に高騰した通貨です。
しかしその後、「SHIBトークンを保有しているわけではない」という発言をしたことで、価格は急落してしまいましたが、Dogecoin(DOGE)と同じように柴犬を愛する人たちのコミュニティに支えられ、現在も高い時価総額を維持しています。
話題になる前の2021年1-3月は0.000005円程度で取引されていましたが、イーロン・マスク氏の柴犬ツイートによって価格は0.009円にまで高騰しました。その価格差はなんと1,800倍です。
1万円分のSHIBA INU(SHIB)を持っていれば、1,800万円分になった計算になります。この大幅な高騰は、世間のミームコインへの関心を高めるきっかけになったと言えるでしょう。
今話題のミームコインを3つ紹介
A Hunters Dream(CAW)
謎に包まれている仮想通貨であるA Hunters Dream(CAW)もミームコインの一つだと考えられています。
A Hunters Dream(CAW)にまつわる数々の不思議はこちらの記事で詳細に解説をしています。
A Hunters Dream(CAW)は、プロジェクト概要も謎、公式サイト・SNSも存在しない、謎に包まれた通貨であるにも関わらず、トークン生成から48時間以内に9つの海外大手取引所に上場しており、加えてSHIBA INU(SHIB)創設者からの資金援助も受けている(もしくはSHIBA INU創設者が創設した)通貨なのです。
更にDogecoin(DOGE)やSHIBA INU(SHIB)の火付け役になったイーロン・マスク氏との関与も噂されており、現在最も注目されているミームコインの一つと言えるでしょう。
先述の通り、A Hunters Dream(CAW)は異例の早さで海外大手取引所に上場しているため、HuobiやMEXCなどの海外大手取引所で購入できるほか、イーサリアムネットワーク(ERC-20)の通貨であるためUniswap(ユニスワップ)でも購入が可能です。
Shiba Predator(QOM)
Shiba Predator(QOM)は、Predator(略奪者)という名の通り、SHIBA INU(SHIB)を倒すために作られたトークンです。
公式サイトや公式Twitterでも、柴犬の首を刈る鷲のイラストが用いられています。
更にこのコミュニティの参加方法として、3つのステップが用意されており、かなり挑発的な内容になっています。
- Shiba Predator(QOM)を購入する
- 持っているShiba Inu(SHIB)をShiba Predator(QOM)に交換する
- Shiba Predator(QOM)のコミュニティに参加する
「SHIBA INU(SHIB)を倒すこと」というネタ的な要素の強い目的であるため、このShiba Predator(QOM)もミームコインの一つとして挙げられるでしょう。
Shiba Predator(QOM)も海外大手取引所に上場しているほか、イーサリアムネットワーク(ERC-20)であるためUniswap(ユニスワップ)で購入することができます。
上場後は、ネタとしての面白さから価格が約6倍高騰しましたが、その後失速して上場時の価格水準に戻ってしまいました。
Shiba Predator(QOM)は、今後どれだけコミュニティを沸かせる「ネタ」を放り込めるかが、価格上昇の重要な鍵となるのではないでしょうか。
Hati(HATI)
Hati(HATI)は北欧神話をモチーフにされた仮想通貨の一つで、A Hunters Dream(CAW)と同じようにプロジェクトの概要がいまいち分からないため、ミームコインの一つと言えるでしょう。
公式サイトはかなり凝った作りになっており、石碑の画像には以下のような文章が書かれています。
「北欧神話では、獣のようなオオカミのSkoll(スコル)と Hati(ハティ)が、月と太陽を執拗に追いかけます。
彼らがそれらに到達するとき、ラグナロク(宇宙の終わり)をもたらすと言われています。
Hati(ハティ)は、仮想通貨自体のラグナロクをもたらし、堂々と、彼のやり方で、あらゆるものを打ち負かすでしょう。」
Shiba Predator(QOM)のように特定の通貨を倒すのではなく、仮想通貨自体をHati(HATI)が終わらせる、とも受け取れる文章ですね。
Hati(HATI)は通貨の発行数が666…と続いており、A Hunters Dream(CAW)と同じように不思議な通貨として話題になっています。
Hati(HATI)はまだ大手取引所に上場していないですが、イーサリアムネットワーク(ERC-20)であるため、Uniswap(ユニスワップ)で購入することができます。
ミームコインまとめ
今回は「ネタ」や「話題性」だけで通貨の価格が急変動するミームコインについて紹介しました。
ミームコインの殆どはプロジェクトの概要や目的がなく、「どれだけ話題になるか」が価格の決め手となるため、ギャンブル的要素が非常に強いと考えられます。
その分、Dogecoin(DOGE)やSHIBA INU(SHIB)のように、一発当たれば億り人になれるような通貨がこれからも出てくるかもしれません。
投資は自己責任ですが、もし少しでも興味が湧いたのなら、少額でミームコインを購入してみてはいかがでしょうか。
最後にミームコインのまとめです。
- ミームコインは「ネタコイン」
- ミームコインには先進性・利便性・社会貢献性の要素がない
- ミームコインの価格の決め手は「話題性」
- 多くのミームコインはプロジェクトの概要や目的がないため、詐欺に注意